システム導入・移行を考えた時に必ず検討したい!機器管理番号・コードの付け方ガイド

品質管理部門において、計測機器管理や校正に関するシステムの導入や移行を行う際に直面する大きな課題の一つが、機器管理番号やコードの付け方です。
適切な管理番号の付け方は、機器のトラッキングやメンテナンスの効率化に直結し、品質管理の精度向上に不可欠です。

機器管理番号の重要性

システム管理かかわらず、機器管理番号が他の機器と重複しては正しい管理ができません。
重複すると、どの機器に対する情報かが不確かになり、管理が混乱します。例えば、同じ番号を持つ機器が複数存在すると、複数機器が候補として出てきてしまい、どの機器にメンテナンスが必要か判別できなくなります。

システムでは重複した番号は登録できないようにすることでこの問題を回避できますが、運用が曖昧だと関係者によって番号の付け方が異なったり、意図せず重複することがあります。

統一ルールの重要性

運用が曖昧になることを防ぐためには、全社的な統一ルールを策定し、関係者全員に周知徹底することが重要です。
例えば、定期的な研修やマニュアルの配布、運用ルールの文書化などが効果的です。

管理番号の採番ルール例

当社でシステム導入時によくご案内している方法は、「計測機器の大分類」+「購入年」+「固有番号」です。
この方法で登録すると、システムで表示された時に自然に分類順かつ購入年順に並び、使い勝手が向上します。

  • 計測機器の大分類コード: 機器の種類やカテゴリーを示すコード(例:A=基準器、C=ノギス、M=マイクロメータ、H=ハイドゲージ、B=ブロックゲージ)
  • 購入年コード: 購入年を示すコード(例:08=2008年、03=2003年、00=2000年)
  • 固有番号: 各機器を一意に識別するための連番(例:001=1番目に購入した機器)

コード作成例

  • C-08001: 2008年、1番目に購入したノギス
  • M-03025: 2003年、25番目に購入したマイクロメータ
  • H-0001: 2000年、1番目に購入したハイドゲージ

よくあるお悩みとその解決策

部署コードの追加

計測機器の管理部門が各工場や支社で分かれている場合があります。
その場合、部門や部署を示す位置のコードを追加することを検討されるでしょう。ただし、体制変更に伴い部署名が変わったり統廃合が起こったりすると管理部門が混乱するため、当社ではお勧めしていません。

システム導入時の解決策

システム導入であれば、特に当社のQCメイトMDであれば、あらゆる項目で計測機器の検索ができるようになっています。管理部門で検索をかければ対象機器がわかるため、部署のコードをつける必要はなく、きちんと管理情報を辿ることができます。

固有番号の連番の桁数の決め方

連番の桁数が導入時よりも管理機器が多くなったりすると、揃っていないことに気づくこともあります。
一般的には、連番の桁数を多めに設定しておくことで、番号が尽きる心配を減らせます。
当社では新たに購入年を付加する方法をご提案することがあります。連番の桁数が減り、1年で購入する機器の数を基に桁数を想定できるためです。

  • 1年に100台未満:固有番号の連番2桁 例)2301 → 2023年に購入した1台目
  • 1年に1000台未満:固有番号の連番3桁 例)23001 → 2023年に購入した1台目

メーカーの製造番号を使用する場合の注意点

計測器に既に付いている製造番号をそのまま管理番号として活用する場合、以下のデメリットがありますので注意が必要です。

  • 他メーカー同士で製造番号が重複する
  • メーカーによって桁数が違うためソート順がずれる
  • 桁数を合わせようとすると桁数が多くなってしまう
  • 桁数が多いと入力ミスを起こす可能性がある

廃棄した計測器の管理番号の再利用

廃却時には、その管理番号は永久欠番として使い回しはしない方がよいでしょう。
過去の廃棄した計測器の管理情報を辿りたいときに便利ですし、同じ番号を使うと破棄しているとはいえ勘違いをもたらす可能性があるためです。

長期運用に適した番号付け

繰り返しになりますが、長く運用していくには、悩まず単純につけていけるルールの方が良いと考えています。
そうすると誤りも防げますし、採番ルールを統一できます。
できるだけ、複雑にならないルールがおすすめです。今回ご紹介した、「計測機器の大分類」+「購入年」+「固有番号」はつけやすい代表例です。

コードに意味付けするより単純なルールに。情報はシステムにお任せ!

単純なコードですと、部署名など様々な情報をつけたりして見てわかりやすくしたくなるかもしれません。しかし、システムで一括管理すれば、今の管理部署が検索できたり、いろいろな情報が取り出せます。
さらには、当社のQCメイトMDでは、計測器の基本情報だけでなく、貸借管理機能があり、その機能を利用する場合、使用頻度を記録できます。そのため、「この種類の計測器は実は複数台保有する必要がない」、「この計測器ばかり使われているから校正スパンを短くしよう」などの目安にもご活用いただけます。

まとめ

計測機器の管理番号を適切に付けることで、機器管理が大幅に効率化されます。
分類コード、購入年コードや、固有番号を組み合わせて一意の管理番号を作成し、それを文書化して徹底することで、混乱を防ぎ、管理の精度を高めることができます。
今回のご紹介が、皆さんの機器管理のお役立ていただければ幸いです。

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